続・闇色のシンデレラ

誰かいないかと屋敷内をゆったり散策していると、背の高い細身の男の後ろ姿を見つけた。



「司水さん」



声をかけると、彼は振り返る。

わたしは彼に近づいて、話しかけようとしたけれど。



「ああ、壱華様。どうなされましたか?」

「壱華?」



壁が邪魔になって見えなかったその奥に、理叶がいることに気がついた。



「あっ……」



そしてその隣に光冴がいることを。

いつかのデジャヴのような光景に思わず身構える。

彼らが敵でないことを分かっていても、手は守るように自身のお腹に触れていた。



「……」



光冴はそれを見て、何か声を発するつもりだった口を閉じ、悲しそうに目を伏せた。