「そっか、じゃあ頑張ってる憂雅くんのために、今日のおやつはわたしが用意してあげよっかな」

「ほんと~!?やったぁ!!あのね、あのね、おれね、ケーキが食べたいの!
いつも“りょう”が持ってきてくれるケーキ!」

「ああ、あのケーキ屋さんね。いいよ、まかせて」

「やったー!!ケーキ、ケーキ!」

「でも憂雅くん、ちゃんとお勉強したら、ご褒美としてあげるけど、そうじゃなかったら私がたべちゃうからね」

「えー?おれちゃんとがんばるよ!ズルもしないよ!約束する」

「うん、じゃあ約束」



そういってわたしは憂雅くんと指切りをした。

憂雅くんは飛びっきりの笑顔で「じゃあがんばるね」というと机に戻り、鉛筆で一生懸命漢字を書き写していた。

わたしはその後ろ姿を眺め、しばらくして車を手配してもらおうとその場を離れた。