「そう、18年生きてきて、やっと実感したもの。
それは人が生きる上で、とても大切なものだと思うの」



志勇に微笑みかけ、それからお腹の子の視線を移した。

この子は、どんな顔をしているんだろう。

どんな子に育つんだろう。

たくさんの期待を込めて、健やかなる成長を願って、考えたんだ。



「この子にも、それを大事にしてほしい。
見えないものだけど、確かにあるもの。かけがえのないもの。
たくさんの人の想いがあって、自分という存在があることを、常に心に留めておいてほしい。
そんな願いを込めて、考えたの」



ちっぽけなわたしの身体に宿る、この子の名前は。









「ねえ、この子の名前……(きずな)って、どうかな?」