続・闇色のシンデレラ

「先に上がります。お疲れさまでした」



繁華街のランジェリーショップ。

涼は私の手を引くと、関係者以外立ち入り禁止のドアの向こうにずんずん進み——



「潤ちゃん!」

「あ、涼ちゃん……と、壱華さん!?」



標的の彼女を見つけると、大きな声で呼び止めた。



「まさか剛と付き合ってるとはね~」

「ええっ!?」

「ふふっ、タレコミがあって駆けつけたのよ。いろいろ話聞きたいなーって」



従業員の休憩スペースに案内してもらい、私たちは談笑をすることに。

涼は得意げな顔で彼女に迫る。

ところが彼女は。



「わたしたち、付き合ってなんていません」



とても悲しそうな顔で、目線を下に下げた。



「単なるわたしの片思いなんです。たぶん、それはわたしが甘えてしまっただけで」

「そう、なの?でも……」

「誕生日に……プレゼントいただいて、うれしくて、つい剛さんにハグしてしまって……」



なるほど、凛はその場面を見て「この2人は付き合ってるのか?」と思ったのだろう。

その話を聞くと納得した。



「へえ……って、剛が女の子にプレゼント!?」

「はい……」

「へえ、そんなこと、あるのねえ」



涼はよほど面食らったのか、さっきから「へえ」しかリアクションがない。

剛さんが女性にプレゼントをするなんてそんな珍しいのだろうか。

結局、その後5分ほど話したところで、その日はすぐ解散となった。