続・闇色のシンデレラ

人の気配がなくなって、俺はそーっと扉を開けて元の位置に戻った。

女の人がいた場所を見るとその人は下を向き、しきりに目をこすっていた。

俺はいたたまれなくなって、思い切ってその人の目の前に飛び出した。



「あ、あの……」



俺が声かけると、一瞬ビクッと肩を震わせて、それからゆっくりと顔を上げた。

泣き顔すら綺麗なその人は濡れた瞳を俺に向ける。

その瞳からなんとなく、怯えの感情が伝わった。



「よかったらこれ、使ってください」

「え……」

「こすったら腫れちゃいますよ。涙を止めたい時は深呼吸して、とにかく気を紛らわしてください」



俺は壱華さんと出会った時、泣いてもいいように持ってきていたポケットティッシュを差し出した。



「あ、ありがとうございます……」



そっと受け取ってくれたその人は、俺の顔を見てきょとん。

女に耐性のない俺は、美女に見つめられて照れくさくなって彼女に頭を下げてから走って逃げた。