続・闇色のシンデレラ

「元から怪しいとは思っていたんだ。なぜこの時期に壱華を公の場に出そうと考えたのか。
親父の真意が見えぬまま、お前をあの場に呼んだことを深く後悔している」

「志勇が反省することじゃない。これくらいで済んだことだし」



志勇はどうも自分が許せないらしい。

だけどあなたが気負う必要はない。



「これくらい……?」

「こんなの、わたしにとっては大した傷じゃない、大丈夫。
ただ、わたしより、お母さんの方が心配……」



そういう意味で言ったのに、志勇はいかがわしい顔をして眉間にしわを寄せた。



「人の心配してる場合か。お前が負った背中の傷は、全治3か月だそうだ。かかとの高い靴でひどく蹴られたから、穴が空いたような痛々しいものだ。
これくらい、じゃねえだろ」



志勇はわたしがまた強がったと思ったのか怒ってしまった。

ただ、苦痛を耐えるように生きてきたわたしからすれば大したことないと言いたかったのに。

組長さんの一件もあってか、彼には焦りが見られた。



「壱華、お前いい加減……」

「失礼します」



厳しい表情の志勇が何か発しようとしたその時、言葉をさえぎるように病室の扉が開けられた。