それから、どれほど時間が過ぎたのか。
気がつくとわたしは横になって寝ていた。
どうやら、志勇に運ばれて安心したのか、いつのまにか意識を手放してしまったみたいだ。
横向きにされて寝かされているのは、きっと背中の傷に響かないためだろう。
「壱華、気がついたか」
ぼんやりとした意識は、その声によって明確なものとなる。
「志勇」
少し目線をうつせば、彼の姿が目に入った。志勇は病室に設置されていたひとり掛けのソファーから立ち上がって近づいてきた。
「ここは?」
「病院だ、ここへ向かう最中にお前、意識を失ってな。すぐ意識を取り戻してよかった」
「そう……」
きっと、志勇が来てくれたことによって気が抜けて気絶してしまったんだろう。
子どもを守ろうと、相当気張っていたから。
そっと自分のお腹をさすると、触った感じは何も変わっていない。
「子どもは無事だ。安心しろ」
「よかった。それが一番心配だったの」
その仕草に気がついて志勇は固い表情で教えてくれた。
わたしはそれに安堵して笑った──それだけなのに。
「志勇?」
志勇は表情をくもらせ、両膝の上に拳を握り、頭を垂れた。
「すまなかった」



