続・闇色のシンデレラ

「どうしても助かりたいか、なあ、水尾」



落胆し肩を落とす水尾の組長。

志勇はそんな哀れな男に声をかけたかと思うと──



「ひとつ提案をくれてやる」



不気味に、笑った。

そしてこう囁いた。





「娘と縁を切れ」





それはまさに悪魔の囁き。



「そうすれば、水尾には救いの道を示してやる。そこから這い上がれるかはお前の力量次第だな」



相手にとって究極の二択を迫る彼はいたって冷静だ。

一方の相手は青ざめた顔を引きつらせたかと思うと、ガタガタと小さく震え始めた。

それは彼の娘も同じだった。



「おい、俺は気長なほうじゃねえんだ。早く答えを出せ」



水尾はその声に弾かれたように顔を上げた。

ここから見て分かるほど、額に脂汗が滲み出している。

目は右へ左へ泳ぎ、口は何か言葉を繰り出そうと開いては閉じるを繰り返している。

そして拳を握りしめ、顔を歪めたと思うと、震える声で断言した。




「今日を限りに……娘と、縁を、切ります……」