続・闇色のシンデレラ

SIDE 志勇



「どうしてお前がここに……!?」



おふくろの姿を目にした瞬間、親父は驚きの声を上げた。



「紘香」



一気に青ざめた親父は、ふらふらとした足取りで、俺の腕の中に収まるおふくろを見つめている。

虚空のような吸い込まれそうな瞳は、次第に哀しみで埋まっていく。

やがて俺の目の前まで来た親父は、自ら膝を折り、おふくろに手を伸ばす。

その手は震えていた。



「すまない……」



そっと抱きかかえ、立ち上がった親父はそう呟いた。

その謝罪は誰に対するものなのかは分からない。


結局、痛い目を見たのは親父だったようだ。

流進を引きずり下ろすことには成功したが、大事な対を傷つけた。

悔恨の表情の親父。

壱華を傷つけたことは許さないが、そんな父親を見ると哀れに思えた。

(きびす)を返し、去りゆく親父の背中は小さく見えた。