続・闇色のシンデレラ

「壱華ちゃん」



震える声で私の名を呼ぶと、一歩、また一歩とゆっくり歩いてくる。

お母さんはひどく怯えていた。

わたしの前に移動すると、静かに私の手を握った。手のひらは冷たくかすかに震えている。



「無事なのね?よかった……本当に、よかった……」



そう言って彼女が目をつぶった、その瞬間だ。



「お母さん!」



お母さんは私の手を離したかと思うと、不意に膝から崩れ落ちた。

近くにいた志勇はすかさず母の体を抱きとめる。



「お母さん……?」

「安心しろ、気を失ってるだけだ」



そうは言われたものの、お母さんが倒れたという事実に動揺していた。

こんな弱った彼女を見るのは初めてだった。

すると、琴音さんの隣に立っていた紫音さんがぼそりと呟く。



「……強い人だ。相当なトラウマだろうに」

「……ああ」



母を見つめる志勇のその瞳は、悲しみと怒りに満ちていた。