続・闇色のシンデレラ

「お久しぶりです、荒瀬さん」



琴音さんは、ゆっくりと彼の前で頭を下げた。

……彼女は一体何者なのか。

知らなくとも、2人の関係はうっすらと伺えた。

“女の勘”というやつだ。



「どうしてお前がここに?」



志勇は彼女に向けていた視線をわたしに戻すと、少し驚いたような顔をしてから、「……悪い」と言ってそっと抱き寄せてくれた。

もしかして、嫉妬してるって顔に出てた?

……わたしってば、助けてくれた女性にヤキモチ焼くなんて最低すぎる。



「私は、以前から流進会の動向を伺っていました。
今日は壱華様を守る目的でこの会場に潜入していたんです。
このことは、兄からお聞きになっていませんでしたか?」

「いや、聞いていない──」

「志勇!」



自己嫌悪してうつむいていたら、新たに会話に入ってきた男の人の声に顔を上げた。



「またお前は……人の話も聞かないで……」

「……チッ、お前か」



志勇は舌打ちして態度が悪い。だけどその人の顔をしっかり見ているから、信頼のおける人なんだと思った。

志勇と同じくらい背の高い彼は男性だけど、琴音さんによく似た顔つきをしていた。