続・闇色のシンデレラ

「志勇」

「壱華……!」



彼はわずかの距離を全力で走り、私の目の前に膝を落とした。



「お前……傷が」



震える声でわたしを見つめると、ふと、その漆黒の瞳は、近くに倒れる女───流進会の娘を見つめた。



「こいつがやったのか……?」



見る見るうちに怒りに染まる瞳。

放っておくと何をしでかすか分からないような、獣の目。

わたしはそっと彼の頬に触れた。



「志勇、わたし、生きてるよ。この子も無事だから、大丈夫」



そう言うと彼はわたしの身体をたぐり寄せ、ひたすら強い力で抱きしめてくれた。



「すまない……本当に悪いことをした」



その手は、震えていた。

彼の心は恐怖で満たされているというのに、その態度で愛されてると感じるのは、だいぶ「堕ちて」しまっている証拠だろう。

ぬくもりは、匂いは、わたしに生きているということを教えてくれた。