「!?」
そう言うと、普段おふくろの前以外であまり感情を表に出さない親父が目を見張った。
「てめえ……」
そして怒りを全面に出す。
やはり、そうか。図星だな。
俺は確信した。そして久しぶりに親父に対しての怒りを覚えた。
「やめねえか、2人とも」
「そうだ、肉親で腹の内探って何になる。そこまでだ」
すると、一部の幹部が割って入る。
その他は仲裁に入れず、獅子と狼の気迫に震え慄く。
俺は黙っていられるかと親父に盾突こうとしたが。
───バチッ。
不意に、闇が広がった。
視野が漆黒で埋め尽くされる。
「なんだ!」
「停電か?すぐに復旧させろ」
停電?おかしい、停電だとしたらホテルの非常灯が作動するはず。
するとこれは故意にブレーカーを落としたことによるものか……。
なら誰が?
状況理解とともに、脳内で不安がよぎった。



