続・闇色のシンデレラ

SIDE 光冴



その場を立ち去る壱華。

俺は未だに壱華と面と向かって話すことが叶わず、その後ろ姿を見ることしかできない。



1年だ。

あの日から、優に1年が過ぎた。

罪悪感と焦燥に蝕まれた1年。俺の心はあの日から止まったままだ。


しかし壱華は、その期間に変わった。

帝王と過ごし、誰も立ち入ることの出来ない硬い絆で結ばれた。

慈悲深く毅然として、それでいて儚げで美しい。

壱華は、すごく、すごく綺麗になった。


もう、俺なんか一生手の届かない存在。

あの時ああしていれば、あの時こうしていれば。

何度も後悔することに度に歯がゆい気持ちに拍車がかかって。

お腹を幸せそうになでる壱華を見て胸が締め付けられて。




結局いつもこう思う。

俺はいったい壱華に何をしてやれるんだろう。

ひょっとすると壱華は、俺が存在が完璧に消えてしまうことを望んでいるんじゃないのか。