「美咲さん!お久しぶりです」

透が建物の前に来ると、立派な門の前に美咲が立っていた。白衣を着てニコニコと笑っている。

「透くん!久しぶり〜。早速紹介するよ〜」

建物の中に入り、透が美咲に採用された部屋に案内される。いよいよ仕事が始まるのだと透の胸が緊張でいっぱいになった。

「入るよ?」

美咲がドアをノックすると、「どうぞ」と玲瓏な声が中から聞こえてくる。女性の声だ。透の緊張はますます高まった。

「し、失礼します」

透が部屋に入ると、椅子に座って医学書に目を通している女性がいた。淡いブルーのストライプ柄のシャツブラウスに、細い足が目立つスキニーパンツ。長い黒髪は女優のように美しく、華やかな顔立ちの目元にあるホクロがセクシーだ。

「あ、あの……」

女性は医学書を見るのに夢中になっているのか、透の方を一度も見ようとしない。透は大きな声を出した。

「浜田透です!ここで働かせていただくことになりました!よろしくお願いします!」