「この仕事に就いてよかったのかな……」

青空を見上げながら、透はため息をついた。



その日、朝ご飯を食べ終えてまたそれぞれの仕事が始まった頃、研究所に一人の男性がやって来た。

「宍戸先生、ちょっと協力してほしくて」

「お久しぶりですね。村田刑事」

黒いスーツをしっかりと着こなした長身の男性が玲奈に話しかける。刑事が現れたことに透は戸惑う。

「宍戸、何か警察のお世話になるようなことを？」

「違う。私がそんなことをするか！」

玲奈が呆れ、村田刑事は「この人は？」と透を見て首を傾げる。看護師の仕事が休みの美咲が「玲奈の新しい助手です！」と答えた。透は自己紹介をする。

「浜田透です。よろしくお願いします」

「村田です。宍戸先生には寄生虫や毒物関係の事件の時に捜査協力を依頼しています」

「捜査協力！？」

驚く透に、玲奈は「こんなことはよくある。さっさとお茶を出せ」と冷ややかな目で言った。村田刑事が苦笑し、透は「人使いが荒いな」と言いながらキッチンに向かう。