目の前にいるギリシア神話に登場する女神のような美女である玲奈が寄生虫学者であることに透は驚いた。すると、透の気持ちを見透かしたのか玲奈がクスリと笑う。

「こんな女が寄生虫学者かと思ったか?」

「い、いえそんな……」

早速仕事をしてもらうと玲奈は透をある部屋に案内した。そこには、大量のガラスケースが置かれていた。その中には様々な種類の虫が入っている。

「ひっ!」

怯える達に、玲奈は冷ややかな目を向けてガラスケースの中に手袋をはめた手を入れて虫を取り出した。

「こんな虫ごときで怯えていたら、これからやっていけない。今から慣れろ。この虫たちの世話をするのが今のあんたの仕事」

「そ、そんな……」

真っ青になる透に、美咲が「まあ頑張ろう!」とポンポンと透の肩を叩いた。