19話「淡い期待」



 酔っぱらった周を泊めた日。
 吹雪はリビングのソファで一夜を過ごした。大きめのベットであるし、冬でもないので、ブランケットがあれば十分寝られた。
 けれど、熟睡出来なかったのは、周の事を考えてしまったからだろう。周にキスされた事。彼が大学生だという事実。吹雪は頭の中でいろいろな事を考えた。


 明日が彼と過ごす最後の日になるだろう。
 そうならない事を願うけれど、きっと彼を好きだと思っているのは自分だけなのだ。
 彼に想いを伝えて、潔く離れよう。
 朝日が昇ってきた時間帯に吹雪はそう決心した。





 この日はたまたま仕事が休みだったため、吹雪は朝に寝ても平気だった。彼が起きるのも遅いはずだと思い、少しだけいつもより朝寝坊する事にした。

 すると、9時過ぎ頃に寝室からバタバタと音が聞こえてきた。