どれぐらい泣いていたのだろうか。
吹雪は泣きつかれたのか、そのままうとうとしてしまっていた。
ハッと気づいたときには、彼の胸の中で目を真っ赤に腫らしながら少しだけ寝てしまっていたのだ。
「…………っ………ぁ………」
「あ、吹雪さん、起きた?」
「周くんっっ…………ごめんなさい!いつの間にか寝てしまうなんて………」
吹雪は咄嗟に彼から体を離して、乱れた髪を直したり、目を擦ったりしながら彼に頭を下げた。けれど、泣き晴らした後の顔を彼に見られるわけにはいかずに、吹雪は俯いたままだった。
「いいよ。俺が泣かしたって事だから、最後まで慰めなきゃね」
「…………あんなに泣いちゃうなんて、恥ずかしいな………。私、年上なのにな」
「年上でも年下でも泣くときは泣くよ。でも、あんなに泣いちゃうなんて、本当に溜め込んでたんだね。吹雪さん、もう、大丈夫?」
「う、うん………大丈夫だよ」
顔を覗き込んでくる周に、吹雪はすぐに顔を逸らして返事をする。けれど、周は納得していないようだった。
「目、こんなに腫らしてる」
「ん………」
「心配だな………こんな吹雪さんを一人にするの」



