28話「2人らしさ」




 周との初めての夜の事情。
 温かい体温が熱くなり、ドキドキしていた胸は暴走しそうなほど、鼓動が早くなり、呼吸も荒いものにと変わった。
 そして、もう1つ変わったこと。それは、彼への感情だ。好きというものから、愛おしいへと変わったように思う。
 周は、吹雪の体や気持ちを優先し、「大丈夫?」「痛くない?」と聞いてくれた。けれど、最後の方は自分の快感が勝ってしまったのか、「ごめん……止められない」「気持ちいいよ……」などと、顔を歪めながら、吹雪を求めてくれた。吹雪の体を労ってくれるのも心配してくれるのもとても嬉しいと思う。けれど、自分の事を求めてくれている。それを感じる事が出来るのが1番嬉しかったのだ。


 そんな幸せで少し気だるい余韻に浸りながら、吹雪は彼の体温やベットにも残る彼の香りを感じながら眠りについた。
 彼が陶芸をやっているせいなのだろうか。この部屋には、少し土っぽい香りが漂っており、吹雪はそれが何故か安心出来た。きっと、それが彼の匂いなのだろう。