ヒーローは勘違いして強くなる(らしい)


「んー、変わらずだよ。素直で可愛くて、明るくて大好き。好きとは言ってくれないけどねー。でも、素直じゃないそんなとこと可愛い」

「ノロけてんじゃねーよ!!」


…はは。

彼女いたんだ。

彼女いるの知らないで、私なに特別気取りだったんだろう。


1人で帰ろう。
私は


<先帰る>


と彼にメッセージを送り、重い足取りで帰り路に着いた。

1人は寒いな。そう思いながら、マフラーに顔をうずめる。


「叶華ちゃん!待って!ごめん!!一緒に帰る約束してたの忘れて友達と話してた!」


後ろから、いっちゃんの声がする。

そりゃ忘れるか。彼女じゃないもん。せいぜい浮気相手?

無視して歩く。


「か…叶華ちゃん?怒ってる?」


自分に呆れてる。失恋して、悲しくなってる。

私の前に立ってきた。


「叶華ちゃん、待って!」

「どいてよ」

「怒らないでよ、どっか寄る?お詫びに何か奢るから…」

「彼女の方行けばいいのに!」


気付けばそう言っていた。


「え?」

「彼女いるのに私のこと大事にしてくるから、私だって勘違いしちゃうよ!…私だって、いっちゃんのこと好きだったのに!!」

「ん?」

「ん?じゃないよ!」


私は泣いていた。我慢できなかった。