ヒーローは勘違いして強くなる(らしい)


私が身を翻すと、いっちゃんはニコリとする。


「うん、行こっか」


隣を歩いていると、


「叶華ちゃん、浴衣可愛いね」

「えっ、ああ、えへへ…」


本当に言われると、照れてしまう。


屋台が沢山並ぶ神社は、友達同士で来ていたり、カップルで来ていたり、親子で来ていたり、混んでいた。


「わあ…さすがにめっちゃ混んでるね」


そう言っていると、いっちゃんが手を差し出してくる。


「手、繋ご?」


まるで、初めて手を繋ぐカップルみたいに。


「う、うん」


私は手を繋いだ。いっちゃんの手は思いの外温かくて、胸がぽっとした。


秋が過ぎ、冬になり、なんとなくいっちゃんとの距離が近いなぁと思うことが増えた。

私は特別なのかもしれない、いつかいっちゃんに告白されるかも?なんて浮かれていた。


ある日、昇降口でいっちゃんを待っていると、なかなか降りてこないので、教室を見に行った。

近くに行くと、いっちゃんと仲の良い男子生徒の声が聞こえて、足を止める。


「そういや伊月って、彼女とは最近どうなの?」


え、いっちゃんに彼女…?

どういうこと…?