広大な宇宙を無数の糸が絡み合い、ほどけて、また繋がっていく。

糸はどこまでも続いていく。

過去。現在。未来。

そんなものは遠大な糸の前では記号に過ぎない。

時に糸は形を変える。でもそれは彼女が手を触れた時だけだ。

誰も触れない限り糸は決してほつれない。結ばれることもない。

それはきっと神が定めたルール。触れられざる法則。

本当にそうだとしたら、その糸を自在に操れる私は――きっと『悪魔』なのかな。

その時彼女はふと気づく。

自分以外で糸に触れた存在が現れたことに。

貴方は一体誰? どうしてそんなことをするの?

私と違って貴方は自由なのに。そんな苦しいことをする必要はないのに。

このままじゃ貴方まで『悪魔』になってしまう。

でもそれじゃあ可哀そうだよね。

そうだ! じゃあこう名付けましょう。

これならきっと、貴方も喜んでくれるよね。



糸を操る『悪魔』を邪魔する者――だから、貴方は『天使』。