「うん。めっちゃ待たされた」

 涙の笑顔であなたは言いました。いつも待たされているのに『待っていない』と言っていたあなたが。それもそのはず、僕たちは付き合い始めてもうすぐ四年になるからです。

「もう待たせへんから」

 帰り道は、温かい雨の中。自販機でホットチョコレートを買ったら、照れ臭いけれど、伝えます。

「結婚してもらえませんか?」

 温かいホットチョコレートと共に。

(おしまい)