終わったはずの恋だった。


期末テストが終わると満生を含む大学三回生は就活の準備に追われるようになった。

満生も例にならって、リクルートスーツに身を包み、連日、インターンシップや会社説明会に足を運び、空き時間に履歴書を書いては大学のキャリアセンターに添削してもらっていた。

秋とも連絡を時々取っていたが、この時期はどちらも就活に忙しく、なかなか二人の休みが合致する日はなかった。

2月末には成績開示があり、満生の進級が確定した。4月から配属される研究室は成績の高い人から順に決定するので、佐倉先生の研究室に行きたいと常に思っていた満生は高い成績が維持できたことに喜んだ。

『秋くんはどの研究室希望なの?』

(そういえば聞いたことなかったな)と何となく打ったメッセージに返事は来なかった。

レスポンスは決して早くはないが、いつも必ず返事はくれる秋に若干の違和感を覚えた満生。

嫌な予感は当たるもので、3月の研究室配属決定日に秋は姿を現さなかった。

秋と仲の良かった男の子達が、秋は単位が足りず進級出来なかったと噂していた。

期末中に病にかかり、ろくに勉強出来ぬまま再試を受けたせいで、多くの単位を落としたらしい。

それっきり。
秋との連絡は途絶えてしまった。