終わったはずの恋だった。


『ごめん。インフルになった』

秋から謝罪するパンダのスタンプと一緒にそんなメッセージが送られてきたのは、期末テストを翌日に控えたお昼時だった。

『ええ!?大丈夫!?』

デートは翌週に迫っていたのに。
それより今回の期末テストはどうなるのだろう。

『もう無理……』
『夜景は日付け変えてもいい?』
『期末は再試受ける』

熱でしんどいだろうに、秋は満生にメッセージをくれる。
お見舞いに行きたかったが秋は実家暮らしだし、恋人でもない満生が看病するのは躊躇われた。

『しっかり休んでね。お薬もちゃんと飲むこと』
『夜景はいつでもいいから、しっかり完治させて』
『再試受けられるんだね。よかった』

(……これじゃあ、口煩いオカンみたい)

そう満生は思ったが、メッセージを削除する前に既読マークが表示されてしまった。

秋は『誠にすまぬ』とクマが土下座するスタンプが送られてきた。