恋人は社長令嬢

「僕は彼女の、元気の良さや明るさに、支えられています。父親が誰であろうと、関係ない。僕はきっと、梨々香さんだから……一生、側にいてほしいと思ったんです。」

そこにいる誰もが、思わず頬を押さえたくなるような言葉だ。

「ですが、ただでは許して頂けないのは、存じております。」

「ほう。では、私の許しを得るのに、何をする?」

「はい。」

瞬はちらっと、梨々香を見た。

泣いたのか、梨々香の眼は赤い。

今すぐにでも、抱き締めてあげたい。

その気持ちを抑えて、瞬は答えた。

「この会社には、月間の成績がよければ、昇格できると聞きました。」

「ああ、そうだ。営業部だけにある規定だ。」

「梨々香さんが卒業する半年間で、僕は係長まで昇ってみせます。」

春樹の眼が。キラッと光った。