恋人は社長令嬢

しまった!

梨々香は、至から手を放した。

埜々香も、口に手を当てて、梨々香を見ている。

「と言う事は、梨々香……松森の妹なの?」

「瞬…」

その時だった。

ギィーッと、社長室のドアが開いた。

「誰だ?」


現れたのはこの会社の社長・松森春樹だ。

春樹は、ちらっと埜々香と梨々香を見た。

「何だ、おまえたち。どうした、こんなところで。」

春樹は、埜々香と梨々香の側に寄ると、近くに立っている瞬を見つけた。

「君は確か…」

いつぞやの、梨々香と一緒にいた男だ。

「うちの娘に、何か用か?」

「娘!!」

瞬は慌てて、口を塞いだ。

「いかにも。埜々香と梨々香は、私の娘だが?」

瞬は梨々香を見ながら、息が止まったかのように、立ち尽くした。