恋人は社長令嬢

何、その微妙な汚れって。

「そうだ、埜々姉。」

梨々香は、さっきの事を思い出した。

「矢口至って言う人、知ってる?」

「えっ……」

ポッと、赤くなる埜々香。


これは、埜々姉の好きな人だな。

一瞬で、梨々香は分かった。

「那々姉と姉妹だって、知られたの?」

「う、うん…」

「危うく私まで、ばらされそうになったよ。」

「ごめん…」

気のせいかな。

薄ら、埜々香の眼に光るものが見える。


「何か、あったの?あの人と。」

「え…」

「いくら埜々姉でも、よほどの事がないと、秘密なんて話さないでしょ?」

そして埜々香の眼に、ジワ~っと浮かんでくる涙。

「言ってごらんよ。」