恋人は社長令嬢

那々香は、亮介が言うとおりに、部屋の中に入った。

あまり荷物が置いてない、殺風景な部屋。


「好きなところに座って。」

那々香は、一番手前に腰を下ろした。

「今、コーヒー淹れるから。あっ、今飲んだら眠れなくなるか。他のモノがいいよね。えっと…何かなかったかな……」

ごまかすように、何かを探す亮介。

「あの……」

そう呼びかけると、亮介は探す手を休めた。

「ごめんな、那々香。俺がこんなに、情けない男なばっかりに……」

那々香は立ち上がると、亮介の後ろへ座り、そっと背中を抱き締めた。

「謝るのをは私。あなたが元気かどうか知りたくて、迷惑も考えずに押しかけて……」

「迷惑だなんて……」