眠ったり、起きたりを繰り返していたからだろうか。


次の日は朝7時に目が覚めて、でもその頃には昨日の倦怠感が嘘のように凪いでいて、体が軽かった。


朝食に出された食事は、お世辞にもおいしいとは言えず、ダイエット中ではないのにあたしはほとんど残して、その後は暇を持て余していた。


あたしは普段ケータイとか見ない方だから、SNSをやってるわけでもないし、ゲームもやらない。


つまり暇。


緊急処置室から個室の一般病棟に移され、小型のテレビは一応ついてるものの、面白い番組なんてなくて、意味もなくチャンネルを回していると


コンコン


一応ノックはされたけど「はい」と返事をしていないのに、


鴇田が顔を出した。


響輔だとちょっと期待したのに、またハズレじゃない。


「具合はどうだ、イチ」と鴇田は無表情で聞いてきて、勝手にパイプ椅子を手繰り寄せ、腰を下している。


「別に……ふつー」とぶっきらぼうに答えると


「そっか」と鴇田も短く答えて、あたしから顔を背け、けれど背筋を伸ばすと腰の辺りを叩いている。


「何?腰痛?」


ちょっと気になって聞くと


「気にするな。病院の椅子は硬くてかなわんな」と苦い顔。「さすがに一晩中は、この歳には堪える」


とじじくさい発言。


じゃなくて……




一晩中―――……?あたしについててくれたの…?