。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「どうしたの~?あ、組長なら今日やす…」


「休みだってな。てか何であたしが訪ねる理由がアイツなんだよ!どいつもこいつも!!」と思わず勢い込むと


「何となく~、だってうさぎちゃんが僕を訪ねてくれるワケないって知ってるし~


うさぎちゃんは僕が迫ると逃げてくし」


よぉくご存じのようで。


本来ならこんな変態野郎の所に一人で訪ねたくもないが……


じっ


あたしはタイガの野郎を眺めて、その口元に視線をやった。


薄いけど軽薄そうに見えないのが不思議だ。セクシーともとれる。


う゛~ん……


じっと見てると


―――ホントにあたし、こいつにキスされたのかな。


思いの他距離をつめてたのかな。いつの間にかすぐ間近にタイガの顔があって、


「うさぎちゃん……そんな、あっつい目で僕を見つめて…ようやく僕に応えてくれる気になったの…?」


そっ


何を勘違いしたのかタイガがあたしの手を握ってきて、


「違う!気安くあたしに触んじゃねぇ!」


バキぃ!


例の如く鉄拳がタイガの顔に命中して、タイガは後ろにひっくり返る。


「あ、兄貴!」と近くに居た組員が慌てて起こすのを手伝っていて、タイガは鼻血なんか出しながら、のそりと起き上がり


「うさぎちゃん……相変わらず激しいね♪」


と、どこか嬉しそうだ。


色男が台無しだな。ってか相変わらずの変態っぷり。


「オヤジの攻撃をあっさり避けるのに、お嬢のパンチはあんなに攻撃力が!」


「一家に一台……じゃねぇが、ここに置いておきたいな」


「可愛いし」


と組員はひそひそ。てか一家に一台ってあたしゃ家電か!


と突っ込みながら、こんなパンチをアッサリ食らうぐらいだし、そもそもあたしは簡単に唇を奪われるタマじゃねぇ。