。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。




て言うか、この時間にカップラーメン??


「腹減ってたんか?夕飯まで我慢できなかったんかよ」


とちょっと呆れて言うと


「いえ、この後ちょっと出かける予定があるもんで。晩飯外で食うかどうかまだ分かんないし」とユズはラーメンをすすりながら言う。


「そーなの?」


「門限には帰ってきます」とユズは真剣。


「てか、どこに行くんだよ」


普段なら聞かないが、何となく気になった。いつもより洒落こんでるユズを見て目を細めると


「あー……ちょっと…」とユズは言葉を濁す。


「何でぃ。男ならはっきり言いやがれ」


あたしが腕を組んでユズを睨み下ろすと


「いえ…ちょっと昔のツレとちょっと約束が……」


昔のツレ?ホスト仲間か?と思ったが、何かピンときた。


「あー、元カノと会うんか?」


と突っ込むと


げほっごほっ!


ユズは盛大にむせた。


この反応から言うと図星だったに違いない。


「え!?ユズが元カノと!」と地獄耳の壱衣が振り返り、菜箸を握っている。


「くっそ!羨ましいぜ!お前、その子に頼んで誰か紹介してくれって頼め」と目が真剣。


壱衣…お前こないだまで好きな女がいるっぽく、色気づいてたのに、もう失恋か??


「そう思いやせん?マサさん」と壱衣がマサの方を振り返り、当のご本人は味噌汁を作っているだろう、鍋の中でひたすらおたまを回しながら、ケータイを見てデレデレ。


「何だ、お前も女かよ」と、マサの方を見ると


「いえ!そんなんじゃなくて!アヤメさんとは…!」と言いかけて、はっと口を噤んだ。


アヤメさん…?


マサがアヤメさんに恋!?


こんなクマみてぇな男、アヤメさんに不釣合いだし。そもそもアヤメさんはドクターの女だし。


まぁ?奇人変人のドクターと、クマみてぇなマサと……結構いい勝負だな。


てか、みんな色めきたちやがって!あたしがプチ喧嘩(?)中だってのに。


「んで?元サヤに戻るんか?リコのこと諦めたみてぇだな」


とユズに向き直って言うと


「いえ!リコさんのことは諦めてないっス!何かソイツが相談事があるって電話が来て、でも話聞くだけで、もしそういう流れになっても俺はリコさん一筋なんで!」


とユズは勢い込む。


ユズ……いい加減諦めろよ。