。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



龍崎 琢磨が二人と思うと「ウゲぇ」てなるが、裏を返すとそれ以上に厄介な組み合わせてことだ。


『しかし、ほぉ。俺を突き止めたか。案外早かったな』と、タチバナは余裕のある声で、それが余計鼻につく。


『リュウから聞いてたぜ?白虎のガキどもを甘く見るな、と』


琢磨さんのこと、リュウって呼んでるのかよ。まぁ同窓みてぇだし?別に呼び方なんてどうでもいいけど、


『あのリュウが倅に手をこまねいてるのを見てると、くくっ!……ウケる!』とタチバナは電話の向こうでケラケラ笑ってる。


ウケる?


何か…想像してたのとちょーーーーーっとばかり違う気がするが。


流石に一ノ瀬の親父もちょっとびっくりしたように目を丸める。


『あいつに忠告してやったよ。高校から呼び出し食らわないように気をつけろ、とね』


「経験談?あんたらの高校時代のように?」


と、態勢を立て直すように突っ込むと




『まぁそうだ?ところでリュウのバカ倅が俺に何の用だ』




さっきのフザケタ物言いから一転、急に声のトーンが下がり、怒鳴っているわけでもないのに、どこか迫力を滲ませた低い声に思わず一歩後退したくなった。


さすが、殺しを専門にしてるだけある、と妙に納得。




「あんたら警察は杉並区の焼死体事件を追ってるんだろ?


死体からはコカインが検出された。




そのコカインの入手経路に“畑中組”が絡んでる―――と」