。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


じょ、女優と二人で買い物…!


む、ムリ無理無理~~!何であたし簡単にOKしたんだよ~!


肉コーナーに走り出したもののすぐに固まった。


こ、この後どーすりゃ……


「待ってよ、野菜コーナーの方が早いじゃない。ニラとキャベツ買っていかなきゃ」


とイチは手慣れた様子で野菜たちを選別。


な、何か手さばきとか、な、慣れてる??


昨日も思ったけど、何か顏やスタイル女優なのに意外と家庭的…(←失礼)


料理なんてできない、包丁なんて握ったことがない、って言われれば納得できるけど。


「あら、キャベツ安い。98円だって」


イチが指さした方向には赤い文字ででっかく「タイムセール」と看板が掲げてあって


なぬ!?


「ぅを!!安っっ!!」


しかもラスイチ!!


そのラスイチのキャベツを狙ってるのはあたしだけじゃないみたいだ。それを目当てでキャベツコーナーに一直線の主婦、そして恐らく近くで待機してたであろう主婦、あちこちから主婦、主婦、主婦!の手が伸びてきて、


逃すかぁ!


あれはあたしが先に目ぇつけたんだよ!


まさにバスケットボールそのもののように、あたしはその腕からラスイチのキャベツを取りあげ守った。


肩で息をしながら


「ふぅ、危なかった」と言い額の汗を拭いながら、キャベツをイチの引いていたカートに入れると


「あなた便利ね」とイチが珍しいものに出逢ったように目をパチパチ。


「便利ぃ??まぁそうかもしれねぇな。家では野郎どもの食欲を満たすため家計やりくりしてるんだ、年期が違うってことか。キョウスケもたまに手伝ってくれるけど」


言いかけて、はっと慌てて口を噤んだ。


何あたしふつーに喋ってンの?