いつの間にか戻ってきたみたいだ。
リコの隣にキモ金髪も居る。
「お帰りなさい!兄貴!姐さん!」キモ金髪が頭を下げ、だぁかぁらぁ!外ではその呼び方やめろ!!と怒り出したい気持ちを押さえつつ、
「あれ?キョウスケたちは?意外だな、あいつが時間遅れるなんて」とあたしはキョロキョロ。
ま、遅れるって言っても五分も経ってねぇしな。
リコたちはあたしらと同様、食べ歩きしてたみたいで、今はリコとキモ金髪二人が同じ店の串にささったお団子を食べている。
「あ、うまそ~どこにあった?」
リコが説明をくれたけれど地図が頭に思い浮かべられないあたしは早々に諦めた。
「朔羅たち一緒~?途中で合流したの?」とあたしとエリナを見てリコが笑う。
「うん、偶然ね」とエリナがふわふわと笑い
良かった……エリナは戒の出現に本当に“偶然”だと思い込んでいるようだ。
「えー、うちらも会いたかったなぁ。でも広いのにすっごい運命だね」とリコが言ってて、リコ!頼むからそれ以上は何も言わないでくれ、とあたしはあたふた。
エリナは回った場所の説明をリコに聞かせていて
「え?風車小屋?あたしらも行ったよ。あそこってジンクスあるみたいだね。風車小屋の頂上でキスしたら永遠に結ばれるとか…」
最後の方はちょっと顏を赤らめて俯くリコ。
ぅをおおおお!リコ、あんたは何でそんな可愛いんだ!
じゃなくて!
「リコ、あいつと行ったの?」とあたしはキモ金髪を指さし。
「他に誰と行くって言うのよ~」とリコがちょっと呆れ顏。「カップルが多かったけれど流石にね~」とすぐに苦笑に変える。
風車小屋…
千里と――――…
あたしはタウンの森のような樹々からちょっと出ている屋根を見つけて
「引き返して良かった!」
「引き返さなきゃ良かった!!」
おたしと千里の声が重なり
「おいっ!どーゆうことだよ!」と千里はプリプリ怒る。
戒は……知ってるワケねぇか。そんなジンクス。
あたしはすぐ隣で何が可笑しいのか笑いを堪えている戒を見て、そう考えると……
やっぱ戒と昇りたかったなー……って。
ジンクスなんてただの作り話で、盛り上げるためのヤラセだとホントは心のどこかで気付いてる。
それでも女子ってそうゆう夢のある話って大好きで。
いいな~、リコは。とちょっと思ったり(ま、結果未遂(?)に終わったワケだけど)