。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



そーいや、あたしもタイガの番号知らないや。


「ん~…でもその人もサクラのこと好きっぽいんだよね」


「なぬ!」千里が勢い込んだ。


安心しな、あいつはいつだって本気じゃねんだから。


てか千里が牙を剥いたら、お前も狙われっぞ。


番犬VS狼の闘いだからな。千里なんてタイガに丸のみされるに決まってる。


「ところで、そいつ何歳ぐらいなの?」と千里に質問されてエリナは首を捻った。


「ん~…見た目は20代後半~30代前半ってとこかな」


「随分年上だな、俺から見たらおっさんだけど」


「おっさんじゃないもん」とエリナが頬杖をついたまま頬をちょっと膨らませる。


ああ…エリナ…あんた何でそんなに可愛いんだ!タイガには勿体なさすぎる!


てか何気に恋バナ盛り上がってる??


「おい、行くぞ」戒が突然あたしの手首を握り樹の影から出た。


「ちょっ、行くってどこへ!」あたしの意見を無視して戒は大股に歩を進め、二人が居るパン屋に向かった。


「お、おい!あたしたちが尾行してたのバレちまうじゃねぇかよ」あたしはひやひやしたが、戒はそんなひやひやあたしを無視して、棚に並べてあるパンを適当に数種類取って会計を済ませると、何と!千里&エリナのテーブルの横に向かった。


何で!


戒の奇行に分けも分からず目を開くことしかできないあたし。


けれど戒は


「偶然~☆お前らもここに来てたんだな一ノ瀬」と戒が千里にニヤリと笑いかけ「新垣さんも」と、こっちは美少年スマイルでにこっ。


「な、何でお前らが!」と千里はあたしたちを指さし目を開いている。エリナは「すごい偶然~」と笑っている。


「何でってさっきも言ったけど、偶然に決まってるだろ?朔羅が入りたいって」


あ、あたしのせい!?