エリナの言葉に千里が返す言葉もない、と言った感じで俯く。
「それにあたし気を使ってるわけじゃないよ。ただ、みんなの恋を応援してるだけ」
エリナは飲み物のストローに口を当て、元来のふわふわ声で笑う。
「だったら俺の恋も応援してくれよ」
千里がさめざめと泣き真似。
な、何か普通に会話してる。
「あはは~……そっか、一ノ瀬くんはサクラのことが好きだったね…」とエリナが頭に手をやって苦笑い。
千里……
樹に掴って思わず二人をじっと見てると
「バーカ、お前は朔羅とは一生吊り合えないよ」とあたしの後ろであかんべをする戒。
お・ま・え・は!!
もちょっとセンチになれよ!
「何かさー、響輔さんもあの女優…?とすっげぇお似合いだし、リコもちゃっかり先輩とくっつくし」
「なぁに?一ノ瀬くん、先輩にやきもち?リコのことほんのちょっと好きだったりする?」
エリナが身を乗り出し
「バっ…!ありゃ女に見えねぇって。そう言う意味じゃなくてサ、みんなカップルになってるってのに、俺だけ…」
お?何か良い感じ?千里も緊張が解けたみてぇだし。
背後から「そのままくっつけ~くっつけ~」と呪詛…ぽい戒の声が…
「じゃぁさ、あたしたちも付き合う?」
へ―――……?
戒の呪いの言葉が通じた!?
エリナのぶっ飛んだ発言に思わず声が出そうになっちまって慌てて口元を押さえる。
思わず戒と顏を見合わせた。
いや……くっつけばいいな~とか思ってたけど、まさかエリナの方から!?
「……は?新垣さんてそうゆうジョーク言えるんだな」
千里は苦笑い。どうやら冗談だと思っているらしい。
何だ……冗談か…
「冗談じゃないよ?」
エリナが千里を覗きこみ上目遣いで言って
ぇえーーーー!!!



