。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



椅子に座るやいなや


「一ノ瀬くんそれで足りるの?」とエリナが切り出した。どうやら千里のトレーの乗ったパンを覗き込んでいる模様。


「新垣さんこそ……少食?俺の場合、ここ色々あるから食べ歩きしたいなとか思って…」と千里がマップを広げてエリナに見せている。


ナイス千里!いいぞ、女の子をリードできてる。


「実はあたしもそう思ってたんだ~カフェオレ味のソフトでしょ?ジャムが入ったプリンとか」


おおっ!千里の案に乗った!いいかも、いいかも!♪


「あ…でも、一ノ瀬くん甘いものダメだった?ごめんね勝手言って」


エリナの声がしゅんとなる。


「い…いや!実は俺も甘党だから気になってって言うか…。かき氷も食いたいなーとか思ってたし」


ナイス千里!


「かき氷?いいね、その案」エリナは明るく笑った。


「それに、雑貨屋てのもあるし…女子は好きでしょ?こうゆうとこ」千里がマップの一部を指さし


いいぞ!千里っ!!


あたしはガッツポーズ!


二人はそれぞれのパンを食べ始め


「もういいんじゃね?お前が心配する程でもなくね?」と戒がこめかみを掻きながら面倒くさそうにため息。


「だけど……」言いかけたときだった。


「……何か、ごめんな」と千里が言い出し、あたしもエリナも顏を上げた。


「え?」遠目から見ても分かる。エリナが不思議そうにしていることが。


「新垣さんに気を使わせてばっかで……あのメンバーだからさ、まとまりねぇし…」


おい!まとまりないって言うなっ!!


「…それに…あまりものの俺に付き合ってくれて」


「あまりもの?」エリナが不思議そうに首を傾ける。


「何だかんだ、カップルできあがってるし。だからあまりもの。それに、どう見ても不釣合いだろ?俺なんかと新垣さんが一緒にいるの…」


千里が顎を引く。




「不釣合いって何?」




エリナの声がちょっと低くなった。


「一ノ瀬くんは誰の目を気にしてるの?誰だったら吊り合いが取れるの?自分を下に見て、それで一ノ瀬くんが言う“吊り合う”女の子が居たら、その子に失礼だよ」


エリナ――……