。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



響輔はあたしの手を引いたまま、そろりと忍び足で階段を降りる。あたしも響輔の背中にぴったりとくっついて後を着いていく。


パタン…


静かに扉を閉める音が響き、びくりと肩が揺れた。


けれど


「あれー、キョウスケの兄貴たち居ないな」


「ホントだ…部屋で寝てるのかな」


聞こえてきたのは、あのリコとか言う女の子と響輔の友達…?いや、正確には違うみたいだけど。二人の影が階段下の床に伸びていてゆらゆらと揺れていた。


思いのほか安堵してほっと胸を撫で下ろす。


響輔もちょっと安心したように、あたしから手を離し、ゆっくりと階段を降りた。


あたしは慌てて響輔の後を追い階段を降りると、想像通り二人がひょっこり顏を出した。


「リコさん…金…黒髪くん、どうしたんですか」


てか金髪をわざわざ黒髪って言い直さなくても良くない?変なところ律儀ね。


リコと言う子はパーカーを羽織って、下は鮮やかなオレンジ色のパレオを巻いてある。黒髪くんはTシャツに水着姿。彼らは足の裏にくっついた砂を払いながら


「それが、戒の兄貴たちがコンビニ行ってて、ちょっと帰りが遅くなるみたいで別荘に戻ってろって」黒髪くんが言って


「ああ」と響輔は、どこをどう納得したのか頷き「外は暑かったでしょう?お嬢と一ノ瀬くんと新垣さんも一緒ですか?」と続けた。


「一緒です。ビーチバレーしてたんですけど、バツゲームでアイスを買いにコンビニへ」とリコと言う子が補足の説明をくれる。


ビーチバレー?罰ゲーム??


……ちょっと楽しそうじゃない。