。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「あ……うん!色々あるから時間掛かっちゃった」ととってつけた言い訳を響輔は一応信じているようで


「あんたのバッグは異次元ポケット…もとい異次元バッグやな」と苦笑。


「煩いわね、女子は色々荷物が多いの」とプイと顏を逸らすと


「そいやお嬢たちのバッグも色々入ってそうやったな。まぁ大抵お菓子やろうけど。


昨日女子会ちゅうの?してたみたいや」


「女子会?」


「戒さんが言うてた」


「ふぅん」女子会……か。あたしはしたことがない。そもそも友達がいないし。でも、女の子同士で、その時ばかりはカロリーのこと気にせず好きなものを好きなだけ食べて飲みながら、賑やかに恋バナとかするのって……なんか楽しそう…


そう思ってハっとなった。


何言ってンのあたし。今まで女友達程、不必要なものはないと思ってたのに。


あたしには―――響輔がいれば充分じゃない。これ以上望んだらきっと……ううん、絶対バチが当たる。


あたしは響輔のTシャツをきゅっと握った。


「どした?」響輔が不思議そうに目をまばたき


「ううん、何でもない」


明るく笑おうとしたけれど、声は変な風にかすれた。


「やっぱ乾燥してるんやな……俺はあんま気にしたことあらへんけど。女優は声やって大切やろ?加湿器でも…」言いかけたときだった。


響輔はふいに視線を厳しくさせ、あたしの手首をきゅっと握った。


「響輔…?どうした…」最後まで言い切らない内に


「しっ!」響輔は小声で言い、唇に指を当てる。


な、何……


もしかして玄蛇が―――…!?