ああ、楽しいっ!これぞ花の女子高生って感じだよね!


一人ドキドキしながらしもソフトが溶けて落ちないようスプーンと格闘しつつ


でも…


この夏が終わっちゃったら、先輩は受験シーズンに入るだろうし…


また会えなくなっちゃうんだ…と思うと胸の奥がズキリと痛む。


せっかくお付き合いできたのに、すぐに先輩は大学生……かぁ…


スプーンを握る手に力が籠る。きゅっと銀の感触を手のひらに受けていると、何を勘違いしたのか


「ソフト、あんま美味くない?」と先輩がちょっと不安そうに目を上げていて



「う、ううん!そんなことないです…!じゃなくて、ない」舌をちろりと出して何とか笑うと先輩も安心したように笑った。


この…流れなら聞けるかも…


「先輩は―――大学決めたんですか?」


あたしの発言に先輩は目をぱちぱち。かき氷を食べていたスプーンを口の中で咥えたまま


「んー、決めたって言うか行けるとこそこしかねぇしって感じで」



聞いといてなんだけど、いけるとこあるんだね。裏口入学?とちょっと疑った。その考えを読んだのか


「言っとくけど、金積ませて入るわけじゃねぇよ」


「あはは!」


自分の考えを読まれてたんじゃなくて、きっと誰もが思うことだよね。思わず笑っちゃうと


「まぁー俺はバカだし、正直大学なんて行くだけ金の無駄じゃん?って。かと言って就職口も無さそうだし。ふけーきだし」


「確かに不景気ですね」


何気なく訂正して言うと先輩は訂正されたことすら気付いてないのか、空を見上げ


「そう思ってたけど、でも―――何か意味のあるようなことに思えた。リコちゃんと付き合うことができたから」


え―――……?