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・☆ リコSide ☆・


砂浜の奥に見えた小さな小屋のような海の家の前にはカラフルなのぼりが立っていた。


先輩の別荘と似たような感じのウッドデッキが突き出ていて、そこに並べられたテーブルで飲食もできるみたい。あたしたちよりちょっと年上な感じの男女四人と言う組み合わせが、テーブルで賑やかな声を挙げていた。


「ソフトクリーム…かき氷……ソフト…氷…」


先輩は海の家が近づいてくると真剣にブツブツ。


「そんなに食べたかったんですか」と思わず笑うと


「いや!どっちがリコちゃん的にヒットするかと…」


ヒット…


先輩の言葉にまたも笑い声が漏れる。でも嬉しい。そんなにあたしのこと考えてくれてたんだ。


「悩むな~、抹茶ソフトもいいし、ふわふわのかき氷も…」首を傾けてあたしも考え込むと


「んじゃさ、抹茶ソフトとかき氷、半分こしね?」と先輩が人懐っこく提案してきて、


「はい♪」あたしは喜々として頷いた。


「てかまぁた『はい』って……敬語はナシって言ったジャン」先輩はちょっと口を尖らせる。


「はい……じゃなくて、うん!」あたしは慌てて言い直すと、先輩は満足した様に頷きあたしの手を自然にとって海の家に急いだ。


わぁ……


こうゆうのってカレカノって感じだよね!