と言うわけで、あたしとキモ金髪はアイスを買いに近くのコンビニで出向こうとしたが
「あ、俺自分で選びたいからついてく~♪」と戒があたしの両肩に手を置いてにこにこ。
「そっか…エリナと千里も来るか?選びたいだろ?」あたしがラインズマンを黙々とこなしてくれた二人を労うつもりで誘うと
「え、いいよ~あたしらは。ラインズマンしただけだし。ね、一ノ瀬くん」
とエリナが千里に笑いかけ
「う……うん」と千里はまたも俯きながらボソっ。
「じゃーみんなで行くか」と提案すると、エリナが何か閃いたように手をぽんと打ち
「あ、じゃぁあたしリコと先輩の分も選んでくる。二人ともゲームの後だから疲れてるだろうし」とにっこり笑い
「え?いいよ、それは悪いし」とリコが慌てて手をふりふり。
「サクラ、リコと先輩を二人きりにしてあげよ♪」とエリナがあたしにそっと耳打ち。
そっか…!
「うん!そうしよう!どんなんがいい?」と聞くとリコとキモ金髪は互いに顏を合わせ
「あ、じゃぁ悪いからあたしらあっちの海の家でソフト食べるよ~
さっきから気になってたんだ」とリコが海の家ののぼりを指さし。気を遣ってる…のか??
「俺も!かき氷食いたかったス!」とキモ金髪が慌てて手を挙げ(まぁこっちは気を遣う以前の問題できっとリコと二人きりになりたかったに違いない)
と言うわけで、あたしと戒、そしてエリナと千里と言う組み合わせでコンビニに向かうことに。別荘にはキョウスケが残ってるから、曲者が来ても大丈夫だろう。ビーチなら決して多くはないが人が居ないワケでもない。そんな所で下手に何かを仕掛けられることもないだろう。考えながら
水着のまま歩き出そうとしたが
「ちょっと待て」
といつになく真剣な表情の戒に肩を掴まれ引き止められる。
「何だよ」と言う意味で目を上げると
「お前らはこれ着ろ」とあたしたちが着ていたパーカーとTシャツを手渡され、ご丁寧にもパーカーを羽織らせてくれる。
「え、でも暑いし」と言って顔をしかめると
「ばぁか、あいつらならともかく他の男にお前の水着姿見せたくないの。
ビーチには客だっているし」
戒はちょっと呆れたように言いあたしにでこぴんしてきて
そっか…
そっか!
何か「俺だけの朔羅」って言ってくれた気がしてすっごい嬉しくなった。