喉がからからだったからビーチに行くまで待ちきれなくてあたしはグラスにオレンジジュースを注ぎ入れて、その隣でキョウスケも同じように水をグラスに入れていた。
「ところでお嬢……その…戒さんに俺と一結の……バレてました…」
キョウスケの顏がほんのちょっと赤くなって口元を覆いながら、言い辛そうな言葉を聞いて
ブーーーー!!
あたしは飲んでいたオレンジジュースを吹き出しそうになった。
「な、何で!あ、あたし何も言ってねぇよ!」
「分かってます。戒さんはお嬢の表情と態度から察したようで…」
「え゛!マジで!!
ごめんキョウスケっ!」
あたしは顏の前で手を合わせて謝った。
てかあたしってそんな分かりやすい!?
「いえ……まぁ今更ですがね…何て言うか俺たちお互いの武勇伝(?)知ってますし(ゴロー経由で)」
キョウスケは遠い目で小さく言って、ホンっトごめん!!あたしは心の中で何度も謝った。
てか。出たよ、ゴロー!そいつぁ一体何もんなんだ!!
「でも」
キョウスケがふと顔を戻しあたしを真正面から見ると
「お嬢を……こんな穏やかな気持ちで見られる日がくるってことにもう無いと思ってたのに。
今まで“ここ”が痛かった」キョウスケは心臓ら辺を押さえて再び目を伏せた。
キョウスケ―――……
今まで苦しめて
ごめんね。
でもたくさん好きでいてくれて
ありがと。



