☆ ビーチバレー!? ☆


う゛~ん…


あたしは部屋にある姿見で自分の水着姿を映しだし、しかめっ面。


水着の上にパーカーを羽織るとしても、やっぱ抵抗があるな…


だって下着姿と変わんないし。しかも胸のタトゥーのことは千里もキモ金髪も知らないしな。


ドン引かれたらどうしよ……


イチは……水着持ってきたのだろうか。あのスタイルだから女のあたしでも鼻血が出そうになるぐらいセクシーなんだろうな……


と思ったが、浮輪なんかを持ってビーチに向かおうとリビングを通ったら


「あたし……眠いし陽に焼けるからここにいるわ」とさっきの白いマーメイドラインのワンピース姿でソファのひじ掛けに体を預けている。


一人で可哀想だから、と言う理由かキョウスケもそこに居残ると言う。


「俺がみんなと遊びに行ったらこの女、一人ぼっちにされた、とか後でガミガミ煩いですから」


あの~……ホントにカップルですよね??と疑いたくなる。


だけどキョウスケ&イチが来ない状況にちょっとほっ。


だって……いくらキモ金髪と付き合うことになったからって、リコにとってはやっぱ辛い、筈。


なんて一人ブツブツ唱えていると


「ジャーン!あたしこれ持ってきた~♪」とリコが楽しげに取り出したのは


「バナナボート?わぁ懐かしい」とエリナもはしゃいだ声をあげて


リコは…あんまり気にしてないのかな?と首を捻ったけれど


「それじゃ響輔さん、あたしたち遊びにいってきます」と、ひらりと手を振って、でもぎこちなく笑顔を浮かべたリコは、やっぱちょっと無理してる……よな。


「おい!キモ金髪!」


あたしはキモ金髪を引っ張り


「何すか?」とキモ金髪は首を傾ける。


「おめぇリコのこと好きなんだろ?しっかり繋ぎ止めておかなきゃ、キョウスケに気持ち戻っちまうぜ?」と釘を差すと


「そ、そうっすね!」とキモ金髪は慌てる。


「じゃな…キョウスケ、悪りぃケド留守番頼む」とあたしも一応断りを入れると


「ええ、大丈夫ですよ。俺が海ではしゃぐとかそう言うタイプではないので、お気遣いなく」


と無表情。


う゛~ん……確かに海ではしゃぐキョウスケて想像できねぇけど、キョウスケは相変わらずいつも通りのマイペースだな。