「お嬢!朝飯のトーストです!」
「お嬢!靴はこちらに!」
「お嬢!送っていきます!」
あたしの寝坊に……てかほとんどはじめてのことだからな、組員が総出であたしを手伝ってくれる……が
手伝い方が、まんまヤクザ!
「朝飯食ってる余裕はねぇ。そして靴は違うのだ。そんでもって送りはいい」
と全ての言葉に一気に短く答えて、慌てて家を飛び出した。
そして
オープンの10時に無事、バイト先のカフェに到着。
ほぼ滑り込みセーフってところだな。
ふー
「おはよう~、あら朔羅ちゃん、あんたがこのギリギリの時間帯って珍しいわね」とおネエ店長がちょっと目をまばたき
「すみませ…!まだミーティング前ですよね」と慌てて言うと
「ええ、まだミーティング前だから大丈夫だけど
もー、龍崎くんも今日は遅番にしてくれって言うし、エリナちゃんも休みでしょ?
人手が足りなくなるところだったわ」
と、ぷりぷり。
え……?
戒、遅番って―――
シフト表を見ると、今日はあたしと同じオープンからなのに。
朝、慌ただしくしてたから、あいつの姿を確認してなかった。
昨日の態度と言い
あいつ
何か隠してやがる。