戒はミラビを買ったあと、ミラビのワンピースの裾をちょっとめくって


『この中、どーなってんだ?』


と覗き見。


『やめろ!』とミラビをすぐに取りあげたが


『男のサガだ?』と戒は意地悪く笑っていた。


………一日のことを思い出して、


楽しかったな…


と改めて思う。


久しぶりに色んなこと忘れて、ただ純粋に―――


せっかくの楽しくデートだったのに、何だか残念な終わり方にため息が出る。


……キョウスケもイチと正式に(?)お付き合いしたみてぇだし。


考えて、はっ!となった。


そうだ!リコに電話しなきゃ!


でも……何て切り出していいんだろう。


あたしはケータイのメモリでリコの番号を浮かべた画面をじっと見つめながら


「キョウスケから聞いた。リコ、大丈夫か?」って聞くのは、傷をえぐるような気がしたし、


リコから電話がないから、今頃一人で泣いてるかもしれないし…


だったらあたしが電話したら尚更辛いよね…


キョウスケにはあたしからリコにフォロー入れておく、って言っちまったけど


う゛~……何て言やぁいいんだよ。


と、あれこれ考えてるうちに、まるで押し迫るような眠気がやってきて、何とか瞼を上げて考えていたが、そのうちそれすらも出来なくなって


あたしはケータイを握ったまま意識を手放した。


一日疲れてたのか……てか何気に昨日もあんま寝てないし、あたしはあっけなく眠りについたわけだ。