戒の野郎!何だってんだ、あいつ!!
苛々しながら風呂に入り、風呂上りに茶を飲もうとして台所に寄ったら、ちょうどキョウスケがお茶を飲んでて、怒りが収まらないあたしは、キョウスケ以外誰もいないのを良いことに怒りをまき散らしていた。
「まぁまぁ、落ち着いてください。ほら、冷たいお茶飲むとちょっとは気が休まりますよ」
とキョウスケはあたしの愚痴まで聞いてくれて、さらに茶まで出してくれる。
戒のヤツもキョウスケを見習えってんだ!
てか、キョウスケ……おめぇも騙されてたのに、何でそんなに平気なんだよ。
あれか?大人の余裕ってヤツ?
でも…
「納得行かねぇっつの!!」
ガンっ!
あたしは飲み干したコップを乱暴にテーブルに置き、プリプリしながら部屋に戻ってベッドの中に潜り込む。
でも一回、火が点いた怒りは早々消えてはくれず、
心配して損したぜ!
ギリギリ歯軋りをしながら、戒から貰ったミラビの首を絞めてるところだった。
すぐに考え直して、ミラビから手を離す。戒にはムカつくけど、ミラビには罪がないもんな。
「ごめんな」とミラビの頭を撫で、その間に今日のデートのことが頭に蘇った。



