リコが落ち着いたところで、改めて話を聞くと(じじょーちょーしゅだ!<←事情聴取と言いたいらしい>)、どうやらリコが間違えてバスルームの扉を開けてしまい、鍵をかけ忘れていた戒と真正面から遭遇してしまった模様。


「お……男の人の体ってちゃんと見たこと…なくて…」


と、リコは恥ずかしそうに…でもまだショックから立ち直れてないのか顏が赤い。


きゅ~~ん!リコ!!あんた何て可愛いんだっ!!


純粋過ぎるっ!


と、トキメイている場合じゃない。


「小さい頃お父さんとはお風呂入ったことはあるけど……あんま覚えてないし…」


そりゃそーだ。


「いいじゃない、パパとお風呂入れたならそれで。想い出は美しいままがいいのよ」


とイチがぞんざいに言って


ま、まぁ??イチが言うのはもっともだよな……想い出は美しいまま…かぁ。


「あんたも入ればええやないか?“パパ”と」と戒が含みがある物言いでイチを見ると、イチはあからさまに顔をしかめた。


「何言ってんの!あたしが鴇………」


と言ったところで、キョウスケがイチの口を後ろから覆って塞いだ。


え……でも


トキって聞こえた気がした―――


その後に続く言葉は―――いくら鈍感なあたしだって気づくよ。


イチはこう続けるつもりだったんじゃないか―――




『トキタ』




と。いやいやトキタって言えば二人いるしね。でも兄貴ではないと思う。何となくだけど。


てことは……イチの父親が




陰険蛇田の鴇田!!!!!?





はぁっ!!!!?